それから秀忠様と共に過ごす日々、
私がどれだけ明るく声をかけても
秀忠様はそっけない態度しかしてくれなかった。
そしてある日私は覚悟を決めて尋ねた。
「秀忠様も私がお嫌いなのですか?」
「いや、
そうではない」
「じゃあどうしてそっけない態度をなさるのですか?」
そこで返ってきた返事は意外なものだった。
「私は前妻とは前妻が早逝したため、
一緒にいた記憶はあまりなく
そなたも知っているように側室もいない。
だから、
恥ずかしいことに女子とどう接すれば良いのか
が分からんのだ。
そなたのことは断じて嫌いではない!
むしろす、す、好きな方だ」
「まぁ、秀忠様…
お可愛いのですね」



