けれど俯いたその暗い表情から
察することはできる。


「ごめんなさい。

今まで何も知らずに、自分だけが辛いと思って...」


「大丈夫だ。

今はそなたがいるだろ?

わしの愛する人はこれからずっとそなただけだ」


「っつ....!

家茂様!

私もです。

私も家茂様を愛してます」


気づいた時私は
私に向けられたその微笑みさえも
愛おしいと思えるほどに家茂様を愛していた。


迎えた長州征伐出発の日。