「わしは先代、
亡き家治公のように
側室を愛していないわけでもない。

きっとそなたには苦しく辛い思いもさせるだろう

それで、なんというか…

「大丈夫ですよ?

家斉様。

私はそれを知ってここへ来たのですから。

先代とも比べる必要ありません。

家斉様は…
家斉様ですから!」


それからの日々ずっと家斉様と一緒、

というわけではなかったけど
二人の男児にも恵まれ、

幸せな日々を過ごした。


そこから50年ほど経ったある日のこと。