「どうしてですか⁉︎

私は公家の姫です。

それなのに将軍家へ嫁げと?

恥晒しもいいところですわ」


「顕子様、
落ち着いてください」


「こんな状況で誰が落ち着けますか!」


「浅宮、
わがままはおやめなさい。

もう決まったことよ」


そこには私の元へは滅多に出向かない母上がいた。


「母上。

浅宮というのは私の幼少名です。

今の私は顕子です、
いつまでも子供扱いしないでください」