「千代、
なんか体がへ…」


それを最後にしゃべることもできなくなった。


バタン!


体が床に倒れ込む。


動くこともままならない。


そんな私の不安とは裏腹に生まれてきたのはついに念願の男児だった。


助けて、千代…


その時いつも私に悪口を言ってくる侍女が来て
こういった。


「これで春日局様が私たちを
昇格してくださること間違いなしよ。

よくやったわね千代。

それにしても惨めな人、
信頼していた千代にまで裏切られるなんて
心まで痛いでしょうねw」


「ち、ょ…」


それを最後に私の意識はプツリと途絶え
二度と目覚めることはなかった。


その日は綺麗な満月の夜だった。