清原には術者の家系であるものの大きな欠点があった。
他の分家よりも強い術者がなかなか生まれないことだ。

強い術者が生まれないというのが原因で
一度だけ、没落しそうになったことがあった。

没落しそうな清原を見た神崎の当主は
娘である楓と結婚することを条件に没落寸前の清原に
援助をするという提案をした。
清原前当主は、それを受け入れ息子である秋人を楓と結婚させた。

しかし、秋人は楓のことなど愛していなかった。
清原前当主が、急病で亡くなり清原の当主に就任した後すぐに、楓を離に強制的に送らせた。
それから、楓とは会うことなく術者とは無縁の家系の女性と駆け落ちした。
実の娘である舞花が生まれたとしても戻ってくることはなく…。

年月が経ち、舞花が十二の時に楓が病に倒れ亡くなり
葬儀が行われて一週間経った頃

秋人はこの時を待っていたかのように
妾と妾の子を連れてきた。