気がつけば、次の日になっていった。
あれからの記憶が曖昧だったが、清原にいた時よりも
すっきりとした雰囲気で目覚めた舞花。

起きてからすぐに凛花がやってきて、
朝食を持ってきてくれた。
温かいお茶漬けと、ふっくらとした甘い卵焼きと
野菜の漬物を美味しいと思いながら食べる舞花。
清原にいた時は食事が喉を通らなくて食事をまともに取れなかった舞花があんなにも気楽に食事にありついているのを見て凛花は驚くのと同時に良かったという気が抜けた安心感があった。

「…そういえば私が眠っている間
何かしていたの?」
朝食をとった、後舞花は凛花に聞く。
「神崎の当主様と話をしていました。
舞花様がどうしてあんな状態になってしまったのか。
清原では何があったのか。それはもう気になっておられました。」
湯のみに温かいお茶を入れながら言い
続けて話した。
「私は洗いざらい全てを話しました。
そうしたら、当主様これほどかというほど怒っておられましたわ。」
「お祖父様が?!」
いつもは穏やかで優しい祖父だが、怒るとは…。
驚きが隠せない舞花。
「はい。怒って、今日すぐ様車を走らせては
清原の方に向かいました。」
そう穏やかな笑みで伝える凛花を見てさらに驚く舞花。
一体、お祖父様は一体清原へ行って何をしているのか
想像できない。
けれど、想像なんてしなくていいと言うようにに凛花が舞花の肩に優しく手を置く。
「何も、想像しなくてもいいのです。
想像して心を痛めなくてもいいのです。
きっと、お祖父様は孫である舞花様をこんなボロボロにして許せないだけですから。」
「…そうね。」
わざわざ清原のことは考えなくてもいい。
今あることを考えればいいのだ。
清原のことは一度お祖父様に任せておけばいい。

そう思って、凛花の入れてくれたお茶を飲んだ。
程よい苦さのある味がして、舞花を落ち着かせた。