サトミの隣に座る土門は、ぼそぼそっと言った。


「意識がなかった時のことは、兄さんから聞いた。」

土門はうつむいた。


「だから、ここに来れば君に会えると思って、1週間兄さんのとこに泊まって一日中、待ってた。」

そう言って土門は大きな体を折り曲げて、恥ずかしそうに言った。


「その待っている時って、結構ドキドキした。」

「バカみたい。」

サトミは、突き放したように言った。