サトミは真っ暗な廊下で、真っ青になりながら土門の兄の話を聞いた。


そのプロテストの日は。

今日だった。


「どうしてですか・・・。」

サトミはつぶやく。


結果が駄目だから飛び込んじゃったの・・・?

大好きな野球がかわいそうだと思わないの・・・?


サトミは立ち上がると、処置室のガラス窓から中を覗き込んで言った。


「そこまで、あなたは張りつめていたの?」


そう言うと、サトミは静かに扉を開けた。