そんな友たちを見て、土門も生き生きと生きることにした。


些細な出来事を手帳に書きとめる。

不思議とこの「書き留める」と言う行為が、自分の心を見つめるいい契機になる。

自分の将来を見据える、いい機会になる。


クラブチームは決して強くなかったが、そこの選手たちは本当に野球が好きだった。

そんな彼らの中にいるだけで、土門は力をもらえた。


不器用だった打撃も、見る見る確実性が上がっていった。

下手だった守備も、どんどんうまくなった。


でもチームが弱く、自分のことを知ってくれる人などいなかった。

いや、自分でも、自分の技量など分からなかった。


こうして時間が過ぎ、また熱い季節がやってきた。