数日後、土門は野球のクラブチーム代表者に電話をかけた。


土門の勤務する小さな土建会社には、社会人野球チームなどない。

そこで同じ大会に出られるクラブチームに入り、諦めかけた野球をしたいと思った。


ケンジのいい球を受けたいからじゃない。

兄の背中を追いかけてでもない。


自分が自分であるために。