独りぼっちになった部屋で、サトミは椅子に座ったままその両目を見つめた。


あれほど見ていたのに、初めて見るその目。

でも見ることが出来ない、その瞳。


開けてよ。

その両目で、キラキラと輝いているであろう瞳で、私のほうを見てよ。



サトミは何度もそう問いかけたが、反応はなかった。


サトミは力くうつむいて、下唇をかんだ。

(意気地なし・・・。)


窓から差し込む月の光が、サトミの頬を青白く照らしている。