1、2分がたった頃であろうか。

慌てて走り寄ってくる足音が聞こえてきた。


「あなたが、電車事故のご関係者の方ですか?」

「は、ええ、まあ・・・。」

顔を多少紅潮させた男性医師の勢いに、サトミは圧倒されながらそう答える。


「こっちです、ついて来て!」

そう言って駆け出す医師の背中に、サトミは懸命についていく。


怖い。

怖い。

怖い。


薄暗い廊下を駆けながら、サトミは胃の奥を押さえた。