喫茶店を出た俺達は、再び牧村さんの家へ向かって歩き出した。
「なんか‥凄いっすね、あの人たち。
牧村さんに対してあんな‥‥」
苦笑いを浮かべながら呆れていると、牧村さんはクスッと笑った。
「手前に座ってた方の女。
あれは、北帝連の先代の妹だ」
「そうなんですか?
前の頭って、けっこう有名でしたよね」
「葛西風吹。
なんの野心も持たない、つまんねえ男だよ」
「‥‥‥」
この街最強の暴走族の頭という事もあり、不良になりたてだった俺ですら、よく耳にしていた名前。
牧村さんはどこか、遠い他人を語る様な目をしていた。
「そういやお前、族やるか悩んでるみたいなこと言ってたよな」
「あ、はい。
なんか、マッチャンとホッシーが悪光浪士に入っちゃって、俺の居場所ねえな~とか思っちゃって‥‥」
「お前も入りゃいいじゃん」
「忍らも、入るみたいなんで‥」
「‥‥‥‥」



