翌週。
6月の週末だったこの日の深夜、バイトが上がりの時間に近づいた頃、遠くから特徴的な族車の音が近づいて来た。
「スゲー音だな。
3発チャンバーって事はマッハかケッチか?」
族車特有の低い音ではなく、マシンガンを乱射させた様な音に、バイト先の先輩は呆気に取られていた。
「ケッチっすね。
K2のクロスチャンバー、カラーは血色の斜め線が入ったコンクリート色」
「なんで音だけで車体の色まで分かんだよ」
先輩にフフッとフザケて笑いかけていると、その単車はスタンド内に入って来た。
「相変わらず良い音っすね、牧村さんのKH500」
「よう、ちゃんと続いてるみてぇだな」
「俺も早くケッチ買いたいすからね。
悪趣味な色はマネしたくないすけど」
「ハハッ、言う様になったじゃん、お前」



