まだ夜の9時にも関わらず、市内はあちこちからパトカーのサイレンが聞こえ、バイパスや町中のメイン通りはあらゆる場所が渋滞していた。
「大樹、ビビってる?」
「え?いや、別に」
「へえ、ケンカ自信あんの?」
「いや、ケンカした事ないし。
そういえばケンカするのか、今から」
「頼りねえ~。俺が二人倒す事になりそ」
初めてのケンカ、それも年上。
不思議と緊張はしていない。
それはおそらく、野球の時と一緒で、相棒がこいつだから。
「あ、なんか思い出したら腹立ってきた。
ヤスオめ、三倍にして返してやる」
「ヤスオの相手は俺だよ」
「は?お前をやったのヒロトって方だぞ」
「知ってるよ」
「‥‥‥?」
なるほど、仲直りの友情ごっこってやつですか。
「んじゃ、ヤスオは任せるな、忍」
「おう、任せろ」



