わかっていた。
俺の心の弱さはいつも、忍を傷つける結果に繋がっている。
けど、今更そんな事を言ったところで、無くなった過去も未来も取り戻せない。
だから俺は、忍とはもう、関わりたくないんだ。
「もう‥‥遅いんです。
あの日、忍の将来を奪った時点で、やり直しなんてきかないんです‥」
「誰もやり直せなんて言ってねえだろ。
やり直したいかどうかなんて本人に聞けよ。
俺はただ、お前に強くなれって言ってんの」
「俺は‥強くなんて、なれません‥‥」
「‥‥‥」
それで何かを取り戻せるわけでもないのだから。
「なれませんじゃなく、なりませんだろ。
お前の場合」
「え‥‥」
「なら、俺が最強の看板を背負わせてやるよ。
都築が言うところの、強制ってやつだ」
「‥‥‥」
牧村さんがそう言った次の瞬間、ガチャッと玄関のドアが開いたかと思うと、そこから出て来たのは特攻服姿の忍だった。
「牧村さ~ん、このベルト貰っていいすか?」
「なんでわざわざ一番高いベルト選んでんだよ、お前」
「‥忍‥‥」



