中学一年の春。
私こと、佐伯春菜は不良になった。
「由香里~、外出ようぜー」
理由は、一言で片付ける。
目立ちたがり屋だから。
「外?帰んの?」
「うんにゃ、サボり。
次の授業、佐竹だし」
そんな、私という悪友に、教室から連れ出される女。水原由香里。
彼女は小学校からの友達で、同じクラスになったのは、今回で5度目。
「佐竹の声ってさあ、なんていうか、人に不快感を与える声なんだよな~。
あんな拷問みたいな授業、聴いてられないよ」
と、不良歴、2ヶ月の私がボヤいたそうな。
「それは、春菜が嫌いだからでしょ。
まあ、聴いてて心地よい物ではないけど」
同じく、不良歴、2ヶ月の女の返答。
「あ、由香里こっち。
正面から出ると、体育教師に目撃される」
「上履きのまま出んの?」
「あとでパンパンすれば問題なし」



