無気力な足取りでサウスブロンクスへ戻ると、バスケコートの前に、あのメイファンという女が座っていた。
「ハーイ、エレナ。おかえり」
『………』
ポケットから札束を取り出しながら、彼女の前へ行ってお金を差し出した。
「ん?いらないよ。それはもう、あんたの金」
『…私の金?』
「そういう街じゃん、ここは」
『………』
金に余裕があるからカッコつけていられる。
これが彼女の全財産だったら、同じセリフは吐けやしない。
『…なら、なにしに来たの』
「あんた、仲間は?」
『……いない』
「1人で生きてるの?」
『みんな…殺された…』
「ふうん。なら、私と暮らそうよ」
『………』



