90'sシリーズ/外伝








無気力な足取りでサウスブロンクスへ戻ると、バスケコートの前に、あのメイファンという女が座っていた。







「ハーイ、エレナ。おかえり」


『………』







ポケットから札束を取り出しながら、彼女の前へ行ってお金を差し出した。








「ん?いらないよ。それはもう、あんたの金」


『…私の金?』


「そういう街じゃん、ここは」


『………』








金に余裕があるからカッコつけていられる。

これが彼女の全財産だったら、同じセリフは吐けやしない。







『…なら、なにしに来たの』


「あんた、仲間は?」


『……いない』


「1人で生きてるの?」


『みんな…殺された…』


「ふうん。なら、私と暮らそうよ」


『………』