90'sシリーズ/外伝








ポケットに札束を押し込め、アパートから出た私は、知らない街で時間を潰した。








『ホットドック。マスタードは付けないで』


「知ってるぜ、日本人はワサビだろ?」








昨日は会えなかったから、今日もケイティの所に向かうつもりだが、彼女が仕事に出るのは夜からだから、それまで暇だった。







「旨いのか?マスタード抜きのホットドックなんて」


『…美味しくない』


「だろうな」








案の定、疑問だけしか浮かばなかった。

別にここのホットドックがマズいとかの問題じゃないけど、食べるという行為に疑問を抱くと同時に、なんだか口を動かすのも面倒だった。








『………』








歩き出してスグにゴミ箱を見つけ、私はホットドックを投げ捨てると広場の噴水に座り込み、夜までそこで時間を潰す事にした。








『………』