ポケットに札束を押し込め、アパートから出た私は、知らない街で時間を潰した。
『ホットドック。マスタードは付けないで』
「知ってるぜ、日本人はワサビだろ?」
昨日は会えなかったから、今日もケイティの所に向かうつもりだが、彼女が仕事に出るのは夜からだから、それまで暇だった。
「旨いのか?マスタード抜きのホットドックなんて」
『…美味しくない』
「だろうな」
案の定、疑問だけしか浮かばなかった。
別にここのホットドックがマズいとかの問題じゃないけど、食べるという行為に疑問を抱くと同時に、なんだか口を動かすのも面倒だった。
『………』
歩き出してスグにゴミ箱を見つけ、私はホットドックを投げ捨てると広場の噴水に座り込み、夜までそこで時間を潰す事にした。
『………』



