90'sシリーズ/外伝








しばらくボーッとした後、立ち上がってシュートを打とうとすると、後ろからウォーレンが私を呼んだ。






「エレナ」


『ウォーレン。どうしたの』


「起きたらエレナが居なかったから、探しに来た」


『そっか』







歩み寄るウォーレンにボールをパスすると、ウォーレンはシュートを打って自分でボールを拾いに向かった。







「どこにも行かないよね、エレナ」


『えっ』







リングの下で拾ったボールを、私にパスするウォーレン。







「なんか、エレナが居なくなる気がした」


『………』







最年少のウォーレンからすれば、私達は仲間というより兄貴や姉みたいなもの。言わば家族。

自分の都合だけを考え、あの男の所へ行けば、ウォーレンはきっと、一番悲しんでくれる。








『…大丈夫だよ。

私はここ以外、行く所なんて無いし…』


「そっか、良かった」


『……。』







私はウォーレンに嘘を吐く事になる。

それを言い訳に、自分をここにとどめておきたかったのだろう。








『ウォーレンさあ、車の運転できる?』


「うん、出来るけど」


『乗せてってほしい所あるんだけど』