しばらくボーッとした後、立ち上がってシュートを打とうとすると、後ろからウォーレンが私を呼んだ。
「エレナ」
『ウォーレン。どうしたの』
「起きたらエレナが居なかったから、探しに来た」
『そっか』
歩み寄るウォーレンにボールをパスすると、ウォーレンはシュートを打って自分でボールを拾いに向かった。
「どこにも行かないよね、エレナ」
『えっ』
リングの下で拾ったボールを、私にパスするウォーレン。
「なんか、エレナが居なくなる気がした」
『………』
最年少のウォーレンからすれば、私達は仲間というより兄貴や姉みたいなもの。言わば家族。
自分の都合だけを考え、あの男の所へ行けば、ウォーレンはきっと、一番悲しんでくれる。
『…大丈夫だよ。
私はここ以外、行く所なんて無いし…』
「そっか、良かった」
『……。』
私はウォーレンに嘘を吐く事になる。
それを言い訳に、自分をここにとどめておきたかったのだろう。
『ウォーレンさあ、車の運転できる?』
「うん、出来るけど」
『乗せてってほしい所あるんだけど』



