90'sシリーズ/外伝







その日の夜は眠れなかった。

仲間達を起こさない様、外へ出た私は、スラム内を散歩した。







「ようエレナ、どこ行くんだ」


『ハーイ、スミス。日本人はお喋りなアイリッシュは嫌いらしいわよ』


「悪かったよ。知らねえなんて言えないだろ、同じスラムに住んでて」






何も考えずに歩くと、足は自然と歩き始め慣れた方へと向かい、私はバスケットボールに座りながらボーッとリングを眺めた。






『……。』






これからはバックボードに空いた穴を見る度に、心が煩わしく揺れ動く。

どこへ行き、何をすれば無心で生きれるのだろう。








(…一人で生きるには過酷な街…か)







私の場合、誰かと生きても過酷な街。

せめて男に生まれていたら、このシナリオも少しは楽に進められたのに、神様はとことん面倒な人生を与えてくれた。








『銃でも習おうかな、マックスに』