出口へ向かい歩き出す男。
私は身体をゆっくりと起こし、男を呼び止めた。
『……ねえ』
「…?」
立ち止まり、こちらへ振り返る男に向け、私は手の平を差し出した。
『20ドル』
「………」
男はタバコをくわえたまま、キョトンとした表情を浮かべ、次の瞬間、私の言葉に大笑いし始めた。
「ハハハッ、オモシレー女」
こちらへ歩いて来た男は、私の前に立つとポケットから財布を取り出し、50ドル札を目の前にパサッと落としてきた。
「お前、オレの女になれよ。
こっちに来るなら、もっとマシな生活できるぜ」
『……。』
これも一つの選択肢。
ただ生きる為だけに生きているなら、イアンやマックス達と居るよりも、こいつに付いて行く方が私にも仲間達にも都合は良い。
『…考えておく』
「上の腰抜けに言っておきな。もう来ねえから安心しろってな」
『………』
「じゃあな。気が向いたらいつでも来な」



