90'sシリーズ/外伝







出口へ向かい歩き出す男。

私は身体をゆっくりと起こし、男を呼び止めた。







『……ねえ』


「…?」






立ち止まり、こちらへ振り返る男に向け、私は手の平を差し出した。








『20ドル』


「………」






男はタバコをくわえたまま、キョトンとした表情を浮かべ、次の瞬間、私の言葉に大笑いし始めた。







「ハハハッ、オモシレー女」







こちらへ歩いて来た男は、私の前に立つとポケットから財布を取り出し、50ドル札を目の前にパサッと落としてきた。







「お前、オレの女になれよ。

こっちに来るなら、もっとマシな生活できるぜ」


『……。』






これも一つの選択肢。

ただ生きる為だけに生きているなら、イアンやマックス達と居るよりも、こいつに付いて行く方が私にも仲間達にも都合は良い。







『…考えておく』


「上の腰抜けに言っておきな。もう来ねえから安心しろってな」


『………』


「じゃあな。気が向いたらいつでも来な」