90'sシリーズ/外伝







加減を知らない麻薬中毒者の暴力に比べると、大した事のない痛みだった。






『っぅ…』






ピストルで撃たれた事はないけど、おそらく撃たれるよりは全然マシな痛みだし、この程度の事をみんなの命と天秤に掛けるなんてバカげている。






「…力抜けよ、うぜーな」


『……。』





重ねられる唇に異物が入ってくると、意識をそっちに向けたい為に、私からも舌を絡め、それに勘違いした男の動きがよりいっそう激しくなる。






『っ…くぅ……』






頭が真っ白な状態での行為は、あっという間に終わり、放心状態で天井を見上げていると、立ち上がった男がベルトを直す音だけが耳に入ってきた。







『………』






ズボンを履きタバコに火を付けた男が、私に一言だけ投げかける。






「じゃあな」


『………』