翌日。目が覚めると、イアン以外の仲間はみんな外に出払っていた。
「ようエレナ、起きたのか」
『…みんな仕事?』
「マックスは客の所で、ブラッドはウォーレンと街に盗みに出た」
食材や生活物資の調達は、ほぼ毎日だった。
同じ場所でやり続けるのも難しいから、ブロンクス区から出て遠出する事も頻繁にある。
「朝食、ウォーレンが作ってったぜ」
リビングとして使ってる部屋のテーブル上には、タマゴ料理が三種類置いてあった。
『冷蔵庫が無いってのも、不便だね。夜はマックスのスクランブルエッグかな』
「発電機あるから盗んで来ても良いんだけど、ここの所有者が急に動く可能性もあるからな。追い出されたら水の泡だろ、冷蔵庫を盗む苦労が」
『まあね』
近年、サウス・ブロンクスにある建物は、それまでオーナーが放置していたビルや家屋の取り壊しなどが増え、拠点を転々とする者も少なくない。
その為、腰を据えて家具家電を住処に持ち込んだりする事はあまりなく、私達の調理器具はカセットコンロのみ。
『卵、あと何パックあるの?』
「20」
『明日はブラッドのスクランブルエッグね』



