昔に比べると路上生活者の数も減り、その分、サウス・ブロンクス内での縄張りも広く取れ、私達の縄張りはバスケコートの他にもう一つ。
木造二階建てのモーテル跡地を寝場所としていた。
「ったく、あの野郎。ドラッグでも決めてんのかよ。いくらスラムだからって、急に撃ち込むなんてイカレテやがる。70年代じゃあるまいし」
もちろん家具などは無い。二階へ上がる階段が、かろうじて底抜けしない程度のボロさ。
「オレらが反撃するのを誘ったんだろ。
殺す理由が欲しいのさ」
マックスがそう呟くと、コーラのケースをドスンと床に置いたウォーレンがそれに続いた。
「ボール狙ったんだよ」
「ボール?」
「イアンが打ったシュートを後ろから狙って、それが外れてバックボードを貫通したみたい」
「…オモシレー遊び考えやがる」



