「さぁ〜ちぃ〜!」
いつもの朝だ。
涼が、朝から大きな声で私を呼ぶ。
雨でも雪でも、
そして、この猛暑の中でも変わらず。
「おはよう、涼」
「おう!」
「おうじゃないでしょ。朝は」
「おはよう、だろ!わかってるよ」
そう言って、
いつも無邪気な笑顔を浮かべる。
涼は、私の幼馴染で、
大学生になった今、私たちの関係は変わった。
ただの幼馴染じゃなくて、
もっと大切な存在になった。
涼は、私の初恋の人で、
最初で最後の恋だと、
この時の私は思っていた。
涼以外に、
こんなにも好きになれる人なんていないと。