「そこのボタン、セルって言うんだけど、それ押すとエンジン掛かるから。
ブレーキ握りながら押してみ」
「ほい」
夏美は言われた通り、バイクのエンジンを掛けた。
「わーい、掛かった」
「じゃあ行くぞ。
軽くだからな?思いっ切り回すなよ」
「わかったわかった。
じゃあ行ってきまーす」
夏美は私達に手を上げアクセルを回すと、
2メートル程は達也の言う事を聞いてゆっくりと進んだが、
大丈夫と感じたのか、突然、スピードを上げた。
「ヒャッホー」
「ウオッ!
ヒャッホーじゃねえよ!
止まれバカ!」
二人はあっという間に遠くまで行ってしまい、
それを見た真也が、気の毒そうに呟いた。
「良かった、俺じゃなくて」



