走り続け、眠る前に








「エンジン掛ける前に、夏美、アクセル握れ」



「…こう?」







夏美がアクセルを握ると、達也は夏美の右手の上に自分の手を乗せた。







「イヤン」



「気持ちワリー声出すな…

単車と違って原チャリは教える事なんて、あんまりねえけど、

大体、初めて乗って事故る奴って、バランス崩して転倒ってより、アクセルの加減が分からない事が原因なのな。



自分じゃ軽く回したつもりでも、やたらスピード出ちまって、ビックリしてアクセル離せなくて、そのまま壁にドカン、みたいな」



「ほうほう」



「バイクによって変わるけど、とりあえず最初はこの位な」







達也はそう言って夏美の手を上から握り、アクセルを回して加減を教えた。







「………。」