走り続け、眠る前に









「なあ〜サッカーしようぜ」






駐輪場に停められた、誰のか分からない自転車にまたがり、達也は夏美を見て暇そうに言った。







「あんた私の事、男友達と勘違いしてないかい?」



「でも、ゴール無いしな。

キャッチボールにする?」



「だからもっと可愛らしい遊びにしろよ。

鬼ごっことか、かくれんぼとか、お花摘みとか」



「あはは、お花摘み」







ふいに達也はまたがった自転車の前鍵の部分を見て、

次に、後輪の辺りに視線を移した。







「…あれ?

このチャリ、鍵付いてねえし」







達也はそう言ってスタンドを外した。