「宏尚と違ってお前は女だから、将来に期待はしてないがな、
恥ずかしい真似だけはするなよマドカ」
「………。」
父親はそう言って私の髪の毛を離すと、ソファーにドカッと腰を降ろし、
私は髪を直しながら何食わぬ顔でリビングを出て、再び玄関へ向かい家の外に出た。
(…達也んちに行くのはマズいよな。
抜け駆けしたってあいつらに思われたくないし…)
別に家を出る必要は無かったが、なんとなく、テレビも点けずに無音で雰囲気の悪いリビングが息苦しく感じ、
部屋に戻りたい気分じゃなかった私は、当てもなく外を散歩した。



