「手、握るぜ」 「あ、うん、いいよ」 真也は達也と同じ様に後ろから私の手を握り、アクセルの加減を教えてくれた。 「こんな感じ。 思ったよりスピード出たら、ブレーキより先にアクセル離す事を考えろな。 道路じゃないから」 「うん、わかった」 男とこんなに密着したのは子供の頃以来のはずなのに、 不思議と、真也の場合はドキドキせず、何も感じなかった。 「マドカー、コケんなよ」 「大丈夫」 静香にそう返事をし、私はエンジンを掛けてアクセルを回した。