4月になり、 私は16の誕生日に、地元の二個上の先輩達が旗揚げしたレディースに、綾と一緒に入った。 しかし、レディースと言っても名ばかりで、 実際に単車で流しに出れるような運転技術や気合いを持ち合わせた女は、私の地元には数える程しか居なく、 大体が車で箱乗りという安全なオチだが、 私が入ったチームには一人だけ、男達に混ざって単車にまたがるカッコ良い先輩が居た。 マドカ先輩。 私の一個上で、兄貴の親友の彼女。 私はずっとその人に憧れていて、その人だけを見ていた。