オブラート









拓真の家の近くの交差点で信号待ちをしていると、サトルの仲間が歩道を見ながら言った。









「なあ…

あれ、林じゃねえの」









心臓をドキッとさせ、恐る恐る振り返ると、


歩道には、辺りをキョロキョロしながら走っているリン君の姿が在った。










「……行って」





「行ってって、お前…

信号まだ赤だぞ」





「いいから行って!」









私がそう怒鳴ると、サトルはしぶしぶバイクを走らせ、




次の瞬間、


信号無視をする私達に、リン君が気付いた。









「春美ちゃん!!」




「……。」









サトル達はリン君に振り返るが、私は顔を反対に背けた。