オブラート








そして夜になり、


私達は花火大会が行われる地元の海岸へと向かった。






「すげえ人だな〜。

毎年毎年、どっからこんなに集まってくんだよ」



「出店あるよー。

なんか買ってから行こう」






明菜はそう言って、さりげなくリン君の手を取り、2人で先に歩きだした。







すると、


それを見てかどうかはわからないが、拓真が私の手を握った。







「春美は〜、

迷子になりそうだから〜」



「……。」








嬉しかったのは一瞬だけで、


拓真なりの優しさだとすぐに気づき、ドキドキすらしなくて、


むしろ、悲しかった。