オブラート








拓真は明菜を立たせ、リビングを出ようとした。







「待て!どこに連れてく気だ」






拓真はリン君に明菜を渡し、先に玄関へ向かわせた。






「…どこに?

児童相談所にでも行っちゃおうかな〜、明菜を連れて」





二人を玄関先に向かわせた拓真が、父親に振り返りながら言った。






「ふざけてるのか、貴様」



「平手ならともかく、あれは反則だろ、お父さん。

こんな危ない所に、明菜を置いておけるわけねえじゃん」



「家庭の問題だ、貴様には関係ない。

そこをどけ」



「……。」







父親は明菜とリン君の後を追おうと歩き出し、


次の瞬間、リビングの入り口の前に立つ拓真が、父親の胸ぐらをガッと掴んだ。







「…お前も明菜と同じ恐怖、味わってみる?」



「……。」








拓真の目が、怖かった。