真冬の景色【完全版】








来未とケーキを食べ始めると、ふいに由依さんが話し始めた。






「そういえば今日さ、

そのお偉いさんが連れて来た女、あんたらと年変わらなそうな、若い子だったよ」






ショートケーキを掴んだ来未が、それに応える。





「ふうん、愛人?

おっさんなんでしょ、上の人間って事は」



「だろうね。

まあ、何人も抱えてる内の1人だろうけど」



「よくやるねえ、

そんなおっかねえ人の愛人なんて。


さぞや良いもん食わせてもらってんだろうな」






口を挟む私。






「カップ麺とか食べないんだろうな。

ぜってー周りの友達とか見下してるぞ、そいつ。


カップ焼きそば作らせたら、最初にワザとソース流し込んで、ええー、違うのー!?って言う、確信犯タイプだ」



「居るよな、たまに。

ちょっとリッチになると、庶民をバカにする奴」



「いや‥そういう感じの子じゃなかったけどな。


なんか落ち着いてたよ、あの年頃の割には。

しかも、スゲー綺麗な顔してた」






苦手な苺を、私のショコラに乗せる来未。






「そりゃそうでしょ。

ブスじゃ、そんな大物の愛人になんてなれないだろうし」



「まあね」



「そんな可愛かったん?」



「うん。

‥つーか、あの子どっかで‥」



「‥‥?」