私や幹部じゃない人間が立ち上がると、悠里達はゆっくりと目の前に歩いてきた。
「鉄パイプ握ってるところを見ると、殴り込みのつもりか?」
ソファーに片ヒジを掛けながら安斎さんがそう聞き、玲奈が答えた。
「テメーらの出方次第だよ」
「……。」
安斎さんと玲奈が無言で睨み合う中、
悠里はテーブルの上に置かれた、封筒からはみ出る一万円札の束に視線を向け、フッと笑った。
「腐った人間が集まって何をやってるかと思えば、
薄汚い金使って、また悪さでも企んでたのか?」
悠里がそう言うと、七海さんが口を開いた。
「狐道の嬢ちゃん、あんた名前は」
「…悠里」
「そうか。
悠里ちゃんよ、この前の尚美とのタイマン、途中で邪魔が入ったとはいえ、
ありゃあ誰が見てもお前の負けだ。
勝負に負けて、だだをこねて暴れるなんて、ガキのやる事じゃねえのか?」
「……。」
悠里は歯をギリッと噛み合わせ、七海さんを真っ直ぐに睨んだ。



