「いや〜、ビックリだな。
まさか灯火の初代総長が、こんな近所に居たとは」
部屋に戻ると、真弓がベッドにダイブしながら言った。
「まあ、北中の卒業生なんだから、別に近所に居ても不思議じゃねえだろ」
「3代目の泣き虫ちゃん先輩も、近所に居るなら会ってみたいな」
「私は初代のあんたに似てる先輩が見てみたい」
ソファーにドカッと腰を降ろし、私は絨毯に置いていたバイク雑誌に手を伸ばし、ニコニコしながらZ1を探した。
「つーかさ、
あんな簡単に決めていいの?
中古とはいえ、あんな高い単車」
真弓に聞かれ、私は雑誌に載ってある同じカラーのZ1を見ながら、フッと笑って答えた。
「あんたさ、
私と親友になるって決めた時、
少しでも迷った?」
「いや、全然」
真弓の答えにクスクスと笑い、私はZ1が一番大きく映っているページをビリッと破き、
2人で寝ているベッドの枕側の壁に、セロテープでピタッと貼り付けた。
「尚美ってさ、
意外に可愛いとこあるよな」
「顔とか?」
「私もヒーローバイク貼ろうかな」
「…恥ずかしいから無視するなよ」



