Z2が王様なら、Z1は神様。
浅野さんのGSより上の、900という排気量も魅力だったけど、
何より、
Z1の、1という数字が気に入った。
「千秋さん…」
「…?」
口元を緩めながら、私はゆっくりと千秋さんに振り返った。
「これ、私に下さい」
「うん。
…って、ええ!?
買うの!?マジで!?」
何も失わず、傷つかずに生きる為には、
誰よりも強くなればいい。
幼い頃、そう心に決めた私に、
これ以上、相応しい単車なんて無い。
「…あ、ローンとか大丈夫ですか?
ウチのオヤジ、社会的な信用ないので、自分だけで組みたいんですけど…」
「…あはは、先輩に任せなさい」



