尚美~最後のレディース









不良をやっていれば、女でも一度は必ず耳にする、伝説の単車。

カワサキ750RS。

通称、ゼッツー。






これ以上、手の施し様が無いという位、スマートで存在感の在る形をしていて、


タンクに浮かぶ、暗いオレンジと黒の火の玉カラーは、見てるだけでも吸い込まれそうになった。










「…これって、ナナハンですか?」








750という文字を見ながら、千秋さんに尋ねた。








「そうだよ」




「……。」









私はこの瞬間、

ゼッツーの外見に一目惚れした。










「……。」










しかし、


仮にゼッツーを購入しても、浅野さんと同じナナハンという事で、

マネをしたと思われたらと考えると、なんだかシャクに思えてきた。










「…あれ」










浅野さんのGSが脳裏にチラつき、ゼッツーから視線を外すと、



パッと見はゼッツーと変わらない外見なのに、名前の違うバイクが目に入った。












「千秋さん…あれって…」





「Z1」




「ゼットワン?」




「ゼッツーの兄貴」




「……。」