港に着くと、灯火と女帝會は車を並べて停め、外に出て話し始め、
RZにまたがったままボーっと黒いGSに目を向けていると、
女帝會の車の中から特攻服を手にとった浅野さんが、バサッと背中から特攻服を羽織り、
男達の心の中から、あ〜あと言う溜め息が聞こえてきた。
「どした、尚美」
浅野さんをボーっと見つめる私の顔を、真弓が覗き込んできた。
「…なんか、ムカつく」
「何が?」
「わかんないけど、ムカつく」
「そんな日もあるさ」
別に男達の視線を独り占めした浅野さんが羨ましかった訳ではないが、
浅野さんがあまりにカッコよかった為、私は自分が負けず嫌いだったという事を、この時、気づかされた。



