「先輩は名前なんて言うんですか?」
バッテリー交換をする彼女に、真弓が聞いた。
「千秋だよ。
つーか、先輩って歳じゃねえけど…
あんたらは?」
「真弓です」
「尚美です」
「へえ、中3?」
中学生に間違えられた私達は、顔を見合わせてプッと笑い、私が千秋さんに答えた。
「いえ、春に卒業しました。
このバカが北校を落ちたせいで、今は無職です」
「え、マジ!?
北校落ちた奴なんて、初めて見たぞ」
「やっぱ千秋さんの時も、居ませんでしたか?」
「居るわけねえだろ。
ウチらの時代なんて、駐輪場に堂々と族車が並ぶ学校だぞ」
「このバカ、受験にロンスカ履いて来たんですよ」
「あはは、
ロンスカなんてもう流行らねえだろ」
「それも寂しいですよね」
「まあな」



