尚美~最後のレディース








店の奥には外へ繋がる裏口があり、

その女の人は扉の前の壁に掛けられた、何かの鍵を手にすると、裏口から外へ出た。







「廃車でよけりゃ、このセピアあんたらにやるよ」



「マジすか!?」








店の裏にはバイクのパーツや骨組みなどがゴロゴロと転がっていて、

女の人は黒いセピア(AJ50ZZ)という原付バイクに鍵を差した。








「ナンバー付いてないけどいい?」








セピアにまたがった女の人が振り返り、真弓が興奮しながら答えた。








「全然大丈夫です!

マジで貰っていいんですか!?」



「いいけど、

前にカゴ付いてるぞ、これ」



「便利じゃないですか!最高です!」



「あはは、ダセー」







彼女はそう言って笑い、セピアのスターターを押した。







「…あ、バッテリー切れてる」







スターターを押すがエンジンは掛からず、彼女はサイドに付いていたキックペダルでエンジンを掛けた。