すると、私達の会話を聞いていた先ほどの女の人が、工具を置いてクスクスと笑いながら近づいてきた。
「原チャリ探してんの?」
20代後半くらいで、優しそうな口調の女の人に聞かれ、私が答えた。
「はい、安いやつ探してました」
「予算は?」
「お金はあるんですけど、できるだけ安いやつを探してたので…」
「そっかそっか、なるほど。
外のディオ、3万でいいよ」
「え、マジですか!?」
「まあ、任意保険とか自賠責保険に入ったり、
メットとかも買ったら結局は4万位、かかっちゃうけど」
「…あ、やっぱ保険とか入らなきゃダメですか?
ウチら、無免なんすよね…」
苦笑いしながら恐る恐るそう切り出すと、その女の人は笑い出した。
「あははは。
ならメットはいらねえか。
どうせ2ケツするんだろうし」
「…あはは、はい」
「あんたら北中?」
「はい、そうです」
「そっか、私の後輩じゃん」
「え、そうなんですか!?」
すると、
その女の人はクスッと笑った。
「おいで」
「…?」
女の人はそう言って店の奥へ歩いていき、私達は顔を見合わせ、女の人が向かう店の奥へ向かって歩き出した。



