「原チャリはあんまり無いね。
単車ばっかりだ」
先ほどの店よりは多少、広い店内だが、単車がメインらしく、原付は外のを含め、10台程度しか置いて無かった。
「中に在るのは程度が良くて高いやつだけみたいだな」
そう言ってピカピカの原付のハンドルに手を置くと、真弓が言った。
「外にある3万6千円のディオは?」
「…うう〜ん、3万6千か。
街中のバイク屋にもっと安いの無いかな…」
「ええ〜、また歩くの?
もういいじゃん、あれで。
3万円台が限界だって」
「でも、ちょっとでも安い方がいいじゃん」
「電車代かけて街中に行って、同じ値段のがあっちで一番安かったらどうすんだよ」
「…お前、
めんどくさい事から逃げる時だけは、変に頭が働くよな」



