「すいませーん、
2.3万で買える原チャリありますかー」
家から徒歩10分程の場所にある、小さなバイク屋に着くと、
真弓が店のおじさんに聞いた。
「一番安いのは、そこのジョグだよ」
おじさんが指差した原付バイクの値札に、私達は視線を向けた。
「4万2千」
「却下」
「二人で割れば二万じゃん。
買おうよ」
「だって程度悪いぞ、これ。
こんな状態のジョグ、個人売買ならもっと安く入るって」
「なに!?
まさかこのオッチャン、人の良さそうな顔して、ぼったくりオヤジか?」
「…いや、
ショップなら妥当な値段だよ」
おじさんは苦笑いしながらそう答え、私は真弓の袖を引っ張った。
「ほら、次の店に行くぞ」
「オッチャン、もっと安く売らないと、家族を養っていけねーぞ」
「…あはは、忠告ありがとう」



