麗子さんの家を出てエレベーターに乗り込み、一階のボタンを押していると、
頭の上に乗せていた丸い腕章を、真弓が手に取った。
「いいなあ〜幹部。
私も灯火9代目、なんとか隊長とか名乗ってみたい」
真弓は腕章を見ながら呟いた。
「よりによって親衛隊長とか、一番ウザい事、押し付けられちまったな…
テメーの身くらい、テメーで守れよって感じ。
再来年から廃止にしような、こんなダセえ役職」
そう言うと、真弓は腕章を人差し指でクルクルと回しながら言った。
「じゃあ、代わりになんか作ろう」
「子衛隊長とか?
弱い後輩を守る隊長」
「うん、正義っぽいね」
「塗装隊長。
みんなの単車に富士山を描く職人」
「絶対必要だよね」
「ヤジ飛ばし隊長。
喧嘩で叫ぶ時、声が裏返っても照れない奴」
「夢は広がるね」



