尚美~最後のレディース









翌日。




昨夜の疲れから昼過ぎまで寝ていると、真弓の家の電話が鳴り響き、私はその音で目を覚ました。









「…真弓、電話」








揺さぶり起こすと、真弓はゆっくりと目を開けた。








「…母ちゃん出るからいい」



「買い物行ってるかも知れないだろ。

先輩だったらどうすんだよ」








私はそう言って、電話の子機を絨毯から拾い、真弓の耳に当てて通話ボタンを押した。








「…くかぁ〜」




「くかぁ〜じゃねえよ。

繋がってるぞ」









電話の相手に、くかぁ〜っと第一声を発する真弓の頭を叩くと、

真弓は眠そうな声を出した。









「…もしもし。

はい、はい…


あ、いいです、は〜い…」








真弓はそう言ってアッサリと電話を切り、壁際に寝返りを打って再び寝始めた。









「誰?」



「…解体屋のおっちゃん。


工期が二週間位の現場あるけど、やらないかって」



「勝手に断るな!


ウチらの財布、2人合わせて700円しか入ってねーんだぞ!」



「……。」







私は真弓に電話をかけ直させた。