灯火だけではなく、女帝會までも目の敵にする悠里。
理由を聞けば、情が出る。
だから私は、その理由は聞けない。
「…いい単車、乗ってるな」
「は?」
「サンパチ。
今日、初めて流しに出たけど、
走るのって、気持ち良いよな」
「…なに言ってんの、お前、
タイマンの最中に…」
悠里の黒いGTに目を向けながら、私は話を続けた。
「正直さ、
私レディースには、なんとなく入っただけだし、
先輩と杯交わした時も、深く考えずに灯火に命をかけるって誓ったんだ」
「……。」
「だから、命に代えても灯火を守るとか、そんなカッコいいプライドだって持ってないけど、
私は不良に生きた以上、ここで何かを見つける」
「…笑えるね、
尚美はこの街のレディースが今、どんなものかを知らないからそんな甘い事を言ってられんだよ」
「……。」
GTから視線を戻すと、悠里は横を向いてアスファルトを見つめていた。



